賃金対策部・ディーセントワーク推進委員会担当書記 工藤
3月に大企業から始まった25春闘。中小企業もほぼほぼ集結したので、春闘を振り返る討論集会を開催しました。
主催は東京土建渋谷支部も事務局を務める渋谷春闘共闘です。
事前に各組合から寄せられた資料は総110ページ。ここにはアップできませんが、相当な内部資料でした。
レジメ渋谷区労連の田辺さんによる主催者挨拶に続き、前半は各組合10分弱の持ち時間で、それぞれが取り組んだ春闘の特徴点を報告してもらいました。
以下、前半の各組合からの報告について、来場者の方々の感想です。
・沢山の組織の様子が分かって、勉強を続けたいと思いました。
・職場・職種・企業別で様ざまな春闘が闘われていることを知りました。要求の汲み取りや組合内のディスカッションの方法も各々違っていました。
・資料を基にしての報告ということで多少分かりやすい面はありましたが、専門的な話で私自身はなかなか理解できませんでした。
・会社の業況により、組合への対応が顕著に違うと思いました。
・各組織の皆さんが日頃様ざまなところで闘っているのを感じます。
・労働組合の弱体化も囁かれていますが、地道なアンケート・集約・データの作成と、マンパワー不足の中大変努力されていると思います。ベースアップは高水準を維持しています。中小企業にも下りて、この循環が定着してほしいと思います。
・各組合が、春闘に向けて真剣に取り組まれていることが感じられました。東京地評の方の「大手企業の初任給が大幅に引き上げられているが、その原資は高齢社員の賃金引き下げだ」との話には、ここでも世代格差が起きているのかと感じました。
・物価高・米の高騰など、やはり賃金を上げてもらわないと生活が苦しく、会社(企業)との交渉も重要です。
・それぞれの組織、それぞれの要求、全く違う活動の中で、皆さんが努力していることが分かりました。その中で、ジェンダー、ハラスメントなどの闘いも聞いてみたいと思いました。
・時間に制限がある中、各組織からの報告は書面報告も含めて充実した内容でした。それぞれの組織の闘いが(困難も含めて)見えて、とても良かったです。
続いて、後半はテーマごとにディスカッション。
①要求の作成方法(要求・意見部会や集会、アンケート・聞き取り調査方法、執行部提案やたたき台提案)、②ストライキ権の行使の有無、どのようなストライキが有効か(全スト、時限スト、指名スト、ストライキ権行使の議論)、③団体交渉の進め方(経営状況の把握・分析、賃上げ要求額の根拠、交渉メンバー)についてそれぞれ交流しました。
以下、同じく後半のテーマ別ディスカッションについて、来場者の感想です。
・とても有意義で、直接話が聞けて良かったと思いました。
・組合ごとにどのような違いがあるか大まかに知ることができました。
・初めての試みではあったと思いますが、一方的な話し合いでやはり理解しにくい気がしました。聞きづらい面もありましたが、良い経験にはなったと思います。
・アンケートの回収方法のデジタル化は有効だと思いました。経営分析も重要だと思いました。
・大変難しいことを常に先頭に立ってやっていると痛感します(結果はどうあれ)。でも動かないと変わらないです。
・総括がしっかりしていると思いました。団体交渉の進め方については、具体的な事例などがあれば良かったと思います。
・要求や生活を聞き取るアンケートを組合員に記入してもらうことが大事です。
・課題ごとにグループに分けてディスカッションにするとまとめやすいかな、と思いました。
・進行が大変だったと思います。はじめの一歩、これからもっともっと進めていきましょう。
感想文では、今後の渋谷春闘の取り組みについて、ご意見・アイデアなども募集しました。以下。
・ディーセントワークについて学びたいです。
・複数の別業種の組合の話を聞くことができ、とても参考になりました。
・成功した事例があればぜひ紹介してほしいです。みんな苦しんでいますので、参考にする価値はあると思います。
・討議に十分な時間が取れない(足りない)ですね。以前のように一泊泊まりこみだと討論の中身が充実し、今後に生かせるのではないかと思いました。
・アンケートの話題が多く出ていたので、アンケートに対する考え方ややり方を教えてもらいたいです(因子分析など)。
・役員の皆様大変お疲れ様でした。初めての試みで、内容・進行含め準備が大変だったと思いますが、とても良い会だったと思います。医労連内の組織、そして日生協、土建が一堂に会するこのような場は、労働戦線強化のための一歩として重要です。
集会の最後は、日生協の眞田さんによる閉会挨拶。
私たちはふたりとも今回の春闘から事務局に加わったメンバーです。
1月23日に25春闘のスタートを告げる旗開きの閉会挨拶を土建が務め、約4か月後、春闘の終結を告げる討論集会の閉会挨拶を眞田さんが行ったことが、あの夜へのアンサーのようで勝手に感動しました。
「日生協労組副執行委員長の眞田と申します。渋谷春闘共闘「25春闘をどう闘ったか」学習・討論会の閉会挨拶を申し上げます。
25春闘では、2020年を100として、消費者物価指数は111.1、前年では3.6%の上昇という歴史的な物価上昇が続く中、昨年に続き、各企業・事業団体がどう向き合うかが試されました。
この2021年から続く物価上昇は、1982年より40年ぶりの高水準であり、私たちは数年前の物差しで物事を考えることができない、後戻りできない新しい季節への覚悟を得たといえます。そのような季節に、私は、この渋谷の地の仲間の取り組みから、世界が全く完全ではないことも思い知らされました。
安全に過ごすための建物を建設するために、多くの方々が不衛生や身体的な危機にさらされて働いていることを知りました。加重平均での賃上げ額16,749円、5.32%と言われる中、コロナ禍よりずっと、人々の健康を守っている医療団体の方々のベースアップが、若手にのみ100円だったということを知りました。そのような、酷い、でも仕方がないと言われるような中で、毅然と声をあげる姿のあることに、私自身を問い直さずにはいられませんでした。
歴史は過去から学びを与えてくれますが、今目の前に起こる未知への答えの正解はありません。内なる声を信じて発信し、歩みを進め、答えを積み上げていく仲間の姿を見て、私の中にも勇気が芽生えたように思います。「私たちの環境は私たち自身で変えられる」。改めてそう思いました。信じてあきらめることなく、25春闘の学びのもと、これからもともにありたい。ともに歩みを進めてまいりたいと思います。」
26春闘に向けて、さらに前進していきましょう。







